SecondaryUse開発日記

データベース参照ツールを開発しています。そのツールの開発、利用方法秘話などなどの紹介

DB参照ツール、SecondaryUse(二次利用) DWHと帳票印刷を兼ね備える便利ツール

SecondaryUseとは任意のデータをデータベースからSQLで取得し表示します
SQLをサーバに保存すれば、利用者全員で共有が出来ます。またローカルファイルとして登録すれば端末ごとに任意のSQLを実行することも可能です

表示したデータはエクセルへのエクスポートも簡単にできますし、エクセル、ワードへの差込み印刷も可能です

エクセルへのエクスポートでは自動でグラフ表示も可能です

その為、DWHと同様の使い方が出来、DWH専用DBを必要としません

※CSV、XMLへの出力も可能です

 

SecondaryUseはデータの二次利用を簡単に実現します

 

本来DBBrowserはエディタ上に入力したSQLを実行しデータを表示していましたが、誰でも簡単にデータ抽出出来るようにSQLを外部に保存し実行できるようにしたのがSecondaryUseです

DBBrowser同様、サーバとの通信はSOAPを利用していますので、ORACLEなどはClientのインストールが不要です。

さらに、SSL/TLSプロトコル(https)を使用してインターネット経由でもデータベースとの接続が可能です。

また、ODBCでの接続も出来るのでローカルネットワーク環境ではサーバなしでも利用できます

 

SimpleUse は SecondaryUseと同じですがランチャー起動のアプリを外したバージョンです

MedicalUseSimpleUse に 医療機能を追加したバージョンになります

現在は SecondaryUse としては公開していませんので、MedicalUseSimpleUse を使用してください

 

なぜ今、 SOAP × SSL/TLS なのか?

システム巧房 SecondaryUseとは?開発日記からわかる事実を徹底整理

システム巧房の「SecondaryUse(セカンダリーユース)」は、医療機関などに蓄積された既存データをSQLなどで取り出し、帳票・Excel・Word・集計・分析・二次利用へつなげるデータベース参照/データ活用ツールとして紹介されています。特に「すでにあるデータを、必要なときに必要な形で活用する」という発想が中心です。

出典: 開発日記トップ要約

1. SecondaryUseとは何か - 定義とコンセプト

SecondaryUseは、システム巧房の「SecondaryUse開発日記」で紹介されてきたデータベース参照・データ活用ツールです。公開記事では、任意のデータをデータベースからSQLで取得して表示し、抽出したデータをExcel、Word、CSV、XMLなどへ展開できる仕組みが説明されています。

単純なデータベース閲覧だけを目的にするのではなく、「抽出したデータを実際の業務に使う」ことを重視している点が特徴です。例えば、データベースから必要な対象者を抽出し、その結果を一覧表にしたり、Excelへ出力したり、WordやExcelのテンプレートへ差し込んで帳票を作成したりする、といった流れです。

2026年7月30日の記事では、SecondaryUseを既存データの「1.5次利用」や「二次利用」を目的とする全体のベース・コンセプトとして整理し、高額なDWHを新たに構築することだけに頼らず、既存データを活用する方向性が示されています。

一言で表現すると:
SecondaryUseは「病院などにすでに蓄積されているデータを、SQLを中心に必要な形へ取り出し、日常業務・帳票・集計・分析・二次利用へつなげるためのデータ活用ツール」

別の記事では、より端的に「データベース(DB)の専門知識を、実務レベルのデータ抽出・活用へ橋渡しする高機能データベース・ブラウザ」とも表現されています。

多くの企業や医療機関では、数千万円から数億円を投じて電子カルテや医事会計、基幹系システムを導入しています。しかし、それらのシステムに蓄積された膨大なデータを現場の職員が「今すぐ、必要な形で」取り出すことは容易ではありません。メーカーにデータ抽出を依頼すれば高額な費用と時間がかかり、市販の汎用ツールでは専門知識が必要すぎて使いこなせないという課題があり、「データの死蔵」を解決するため、「データの1.5次利用(日常業務での参照・検索)」と「2次利用(統計・研究・分析)」をシームレスに行うことをコンセプトに開発されました。

動作環境としては、Windows 11/10で動作するフリーソフトであり、Windows向けのデータベース参照ツールと位置付けられています。

2. なぜ医療機関にデータ活用が必要なのか

病院には、電子カルテ、医事会計、検査、薬剤、画像、看護、部門システムなど、多種多様な情報が蓄積されています。しかし「データが保存されている」ことと「必要な人が、必要な形で利用できる」ことは同じではありません。

業務システムの標準機能には、日常診療に必要な検索や帳票が用意されています。一方で、現場からは「標準帳票にはない項目を一覧にしたい」「複数の条件を組み合わせて対象者を抽出したい」「毎月同じ集計をしたい」「独自レイアウトの帳票を作りたい」といった個別の要望が発生します。

こうした要求に対して、毎回メーカーへ個別開発を依頼すると、時間や費用が必要になる場合があります。また、汎用的なBI・分析製品を導入しても、データ構造や分析基盤の設計が必要になることがあります。

SecondaryUseの考え方は、この間にある「既存データをもっと柔軟に使いたい」というニーズに応えるものです。SQLを使って必要なデータを抽出し、現場で使い慣れたExcelやWordへつなげることで、比較的小さな業務課題からデータ活用を始めることができます。

3. 技術的特徴

3-1. 多彩なデータベースへの対応

SecondaryUseがプロフェッショナルな現場、特に医療現場で高く評価されている理由は、その圧倒的な「接続の柔軟性」と「運用の手軽さ」にあります。

Windows標準の接続機構(ODBC、OLEDB)を利用することで、以下の主要DBに幅広く対応しています。

  • Oracle Database(電子カルテで多く採用)
  • Microsoft SQL Server(部門システムや医事会計で一般的)
  • PostgreSQL / MySQL / SQLite(オープンソース系)
  • InterSystems IRIS / Cache(医療用M言語系DB)

特筆すべきは、「複数の異なるDBへ同時に接続・切り替え」ができる点です。例えば、電子カルテ(Oracle)と給食管理(SQL Server)のデータを、一つのツール上で切り替えながら操作することが可能です。

他の記事でも、Oracle、PostgreSQL、SQL Server、ODBC接続など、複数のデータベースに同時に接続し、データを参照できると説明されています。

3-2. インストール不要のポータビリティ

多くの企業内PCでは、新しいソフトのインストールにはシステム管理者の許可が必要です。SecondaryUseは、実行ファイルをコピーするだけで動作する形式をとっており、レジストリを汚さずに導入できるため、現場のPCに導入しやすいという実務上のメリットがあります。

3-3. 対応環境

別の公開情報(公式note)では、主にWindows 10およびWindows 11環境で動作し、.NET Framework 4.8を利用しているため、高度な互換性と安定性を実現していると記載されています。また、複数のデータベースを同時に接続し、SQL検索を実行できる機能も搭載されています。

4. 主な機能

4-1. SQLによるデータ抽出とテンプレート管理

中心となる機能はSQLによるデータ抽出です。SQLを使うことで、単純な検索だけでなく、複数の項目を組み合わせた条件設定、並べ替え、集計など、目的に合わせたデータ取得が可能になります。例えば、特定期間の診療情報を抽出する、特定条件に該当する患者を一覧化する、診療科別に件数を集計する、といった処理をSQLで定義できます。

複雑な抽出条件(SQL文)を「定型SQL」として保存できます。一度作成すれば、SQLがわからない職員でもメニューから選ぶだけで最新データを抽出できます。

4-2. SQLの保存と共有

作成したSQLをサーバーに保存して利用者全員で共有したり、ローカルファイルとして端末ごとに保存・実行したりする仕組みが紹介されています。これは、データ活用を「担当者の一回限りの作業」で終わらせず、繰り返し使える院内資産にできるという意味で重要です。

4-3. Excelへのエクスポートとグラフ化

抽出結果をExcelへ出力できることは、実務上の大きなメリットです。医療機関ではExcelを使った集計・報告・資料作成が広く行われているため、データベースの結果をExcelへつなげることで、既存の業務フローに取り込みやすくなります。出力結果をグラフ化する使い方も紹介されています。

Excelを使って帳票イメージを作成し、SQLで抽出したデータを埋め込んで印刷することができます。これにより、請求書などの帳票を簡単に作成できます。抽出データのグラフ表示(Excelを利用)も可能です。

4-4. Excel・Wordを利用した帳票・差し込み印刷

抽出したデータをExcelやWordのテンプレートへ差し込んで帳票を作成する考え方も紹介されています。例えば患者ごとの文書、業務一覧、請求関連の帳票など、データとレイアウトを組み合わせた文書作成に利用できます。2017年の記事では、DataGridViewの1行を1患者として1シートへ差し込む方法や、選択した複数行を1シートへ差し込む機能など、差し込み印刷の拡張についても紹介されています。

Wordの差し込み印刷機能と連携し、DBから直接診断書や案内状の書式へ流し込むことができます。Wordへの埋め込み印刷、Excelへのエクスポート、CSVファイル出力などが可能とされています。

4-5. CSV・XML出力とインポート

Excelだけでなく、CSVやXML形式での出力も公開情報に記載されています。CSVは表形式のデータを他のソフトウェアで扱う場合に利用しやすく、XMLは構造化されたデータとして扱うことができます。Excel、CSVデータのインポートが簡単にでき、再利用も可能です。

4-6. DWH的なデータ活用とテーブル定義書出力

専用のDWHを新規構築することなく、既存データベースを利用してデータ活用を進めるという考え方が示されています。これは、すべての課題を最初から大規模な分析基盤へ載せるのではなく、必要な業務から段階的にデータ活用を進めたい組織にとって、一つの選択肢になります。

テーブル定義書出力機能として、OracleなどのDB構造を解析し、テーブル定義書(仕様書)を自動生成する機能があります。これはシステム管理担当者にとって、DB構造を把握するための強力な武器になります。

4-7. フリーアプリ機能(コマンド連携)とURL連携

抽出した結果(例えば住所情報)を、外部の地図ソフトや宛名印刷ソフトに引数として渡すことができます。他のシステムとの連携も可能で、例えば表示項目の住所からGoogleマップを表示するといったこともできます。URL連携機能を活用して外部のWebサービスや地図データ、さらには証券情報とも簡単に連携できます。

4-8. データの比較表示

検索したデータはTABで切り替えて表示したり、検索データを分割表示したりできるため、複数のデータを比較することが可能です。

5. 医療現場で考えられる活用例

SecondaryUseは特に医療機関(病院)での導入実績が豊富とされています。

経営分析・DPC対策
医事会計システムから診療行為ごとの点数や薬剤の使用量を抽出し、Excelでグラフ化して収益改善の資料を作成する例が挙げられています。

臨床研究の症例抽出
「特定の病名」「特定の検査値」「特定の年齢」などの条件を組み合わせ、臨床研究の対象となる患者リストを数秒でリストアップする例があります。

標準機能にない帳票の作成
電子カルテなどの標準機能だけでは対応しにくい帳票をSecondaryUseで作成する例が紹介されています。SQLで必要な項目を抽出し、ExcelやWordのテンプレートに差し込むことで、標準システムの帳票機能を補完することができます。

紹介・逆紹介の集計
地域連携業務では、紹介元医療機関別の件数や月次推移など、独自の集計が必要になることがあります。紹介・逆紹介の集計も活用例として紹介されています。

未入力・業務チェック
特定条件に該当するデータをSQLで抽出する仕組みは、入力漏れや業務上の確認にも応用できます。電子カルテの記載漏れや、特定のオーダの未実施を定期的にチェックするSQLを走らせ、医療安全や算定漏れ防止に役立てる例も紹介されています。

未収金管理
NECが開発した電子カルテシステムと連携する「SecondaryUse」は、未収金の状況をリアルタイムで把握し、効率的な管理を実現します。督促状の自動発行機能や分納領収書の作成が可能であり、履歴管理も容易です。また、医事会計システムと直接参照することで正確な未収金の集計と検索を迅速に行えるとされています。

活用の基本サイクル
データベース → SQLで抽出 → 結果を確認 → Excel・Word・CSV/XMLへ展開 → 帳票・集計・分析 → 業務改善へフィードバック

6. DWHとの関係

DWH(Data Warehouse)は、複数の業務システムに存在するデータを分析しやすい形に集約・加工するための仕組みです。大規模なBIや経営分析では非常に有効ですが、導入には設計、データ連携、サーバー、運用などのコストが発生します。

SecondaryUseでは、「高額なDWHを用いずに既存データを活用する」という方向性が説明されています。これはDWHを否定するものではなく、「すべてのデータ活用を大規模なDWHから始める必要はない」という考え方として理解すると分かりやすいでしょう。

例えば、まず「毎月の業務集計」「特定患者の抽出」「独自帳票」のような具体的な課題から始め、利用範囲が拡大してから分析基盤を検討する方法があります。SecondaryUseは、このような段階的なデータ活用と相性のよい考え方です。

7. 接続構成:DBService+SOAP+SSL/TLS

2026年8月31日の開発日記では、SecondaryUseと各種データベースを接続する構成として、DBServiceをWebServiceの仲介役に置き、SOAPとSSL/TLS(HTTPS)を利用する方式が詳しく説明されています。

各種DB (Oracle / PostgreSQL / MySQL / SQL Server など)
  ↓
DBService(WebService)
  ↓
SOAP + SSL/TLS(HTTPS)
  ↓
SecondaryUse

SOAPの役割: SOAPを利用することで、SecondaryUseとDBServiceの間をWebServiceとして接続できます。DBService側からデータベースへはNativeまたはODBCで接続する構成が説明されています。この方式では、利用者のPCからデータベースへ直接接続するのではなく、DBServiceをデータアクセスの窓口として配置できます。例えばOracleを利用する場合、各クライアントにOracle Clientを個別導入する必要性を抑えられるというメリットが説明されています。

SSL/TLSの役割: SSL/TLSを利用したHTTPS通信は、SecondaryUseとDBService間の通信を暗号化するために使用されます。HTTPSを使うことでインターネット経由の接続も可能と説明されています。

重要な注意: HTTPSを利用すれば、それだけで医療情報システム全体が安全になるわけではありません。実運用では、VPN、ファイアウォール、アクセス制御、認証、証明書、端末管理、ログ管理、ネットワーク分離などを含む総合的なセキュリティ設計が必要です。

要素 役割
SecondaryUse データの抽出・表示・帳票・分析などを行う利用側
DBService データベースアクセスを仲介するWebService
SOAP SecondaryUseとDBService間のWebService通信
SSL/TLS HTTPSによる通信経路の保護
Native / ODBC DBService側からデータベースへ接続する方式

8. MedicalUse・SimpleUse・VariousUseとの関係

SecondaryUse開発日記では、SecondaryUseを中心に、SimpleUse、MedicalUse、VariousUseなどのアプリケーションが紹介されています。

  • SecondaryUse:既存データの1.5次利用・二次利用を目的とする全体のベース/フラッグシップ的なコンセプト
  • MedicalUse:医療・現場向けの機能を加えた構成として説明される製品
  • SimpleUse:よりシンプルなデータ参照・活用を目的とする構成
  • VariousUse:必要な機能を選んで利用する構成として紹介されるもの

ただし注意が必要です。現在の開発日記には、SecondaryUseを中心とした体系を説明する記事がある一方、過去の記事には「現在はSecondaryUseとしては公開されておらず、MedicalUseまたはSimpleUseを使用する」という案内もあります。したがって、本記事では公開記事上の「コンセプト・機能の関係」を整理しています。現在の正式な販売名称、提供形態、対応製品、契約条件については、システム巧房の最新案内で確認する必要があります。

エディションのバリエーションとして、1.オリジナル版:基本となるすべての機能を搭載したスタンダードモデル。2.シンプル版:機能を絞り込み、より軽量化したモデル。3.MedicalUse(医療系版):医療機関向けに特化し、紹介状作成機能や試薬管理、文書管理機能などをプラグイン的に追加したもの、と説明されています。

9. 活用するメリット6つ

  1. 既存データを活かせる:新しい入力システムを作らなくても、既存システムに蓄積されたデータを活用するという発想を取れます。
  2. 標準機能を補完できる:業務システムの標準機能を置き換えるのではなく、「標準機能では足りない部分」をデータ抽出・帳票・集計で補完できます。
  3. SQLを再利用できる:SQLを保存・共有できれば、担当者が作った検索条件を別の職員が繰り返し利用できます。データ活用のノウハウを個人のPCだけに残さず、院内の共有資産として管理することにつながります。
  4. Excel・Wordとの親和性:現場で使われているExcelやWordを活用できるため、データ活用を新しい業務ツールだけに限定せず、既存の作業環境へ取り込めます。
  5. 小さく始められる:「一つの帳票」「一つの検索」「一つの集計」から始め、効果を確認しながら対象業務を増やすという段階的な進め方が可能です。
  6. データ活用の民主化につながる:すべてのデータ抽出を外部業者へ依頼するのではなく、院内のSEやデータ活用担当者がSQLを作成し、必要な情報を自分たちで取り出せるようにすることで、データ活用のスピードを高められる可能性があります。

10. 導入・運用で重要なポイント6つ

  • SQLの知識:自由度が高い一方、SQLの知識が必要です。データベースの構造、テーブル、キー、コード、JOIN、集計などを理解できる担当者がいると、活用範囲を広げやすくなります。
  • 本番DBへの負荷:本番環境のデータベースへ重いSQLを実行すると、業務システムに負荷を与える可能性があります。取得件数、検索条件、実行時間、インデックス、参照用環境などを考慮して運用する必要があります。
  • 権限管理:医療情報を扱う場合、誰が何を閲覧できるのかを明確にすることが重要です。職員だからすべての患者情報を見てよい、という設計ではなく、業務目的に応じた権限管理が必要です。
  • データの意味を確認する:SQLで正しくデータを取得しても、そのデータの意味を間違えると分析結果も間違います。項目定義、コード体系、更新タイミング、欠損、重複、集計単位などを確認することが重要です。
  • 個人情報・研究データの扱い:患者情報を研究、統計、教育などに利用する場合は、医療機関の規程や関連法令・ガイドライン、倫理審査などを確認する必要があります。SecondaryUseは技術的なデータ抽出を支援するものであり、データ利用の適法性・妥当性を自動的に保証するものではありません。
  • SQLを院内資産として管理する:SQLを自由に作れるようになるほど、「誰が作ったSQLなのか」「何の目的で作ったのか」「どの項目を使っているのか」「いつ更新したのか」を管理することが重要になります。

11. 医療DXにおける可能性

医療DXを考えるとき、電子カルテを導入するだけでは終わりません。重要なのは、そこで蓄積されたデータを診療、経営、業務改善、研究、地域連携などへどう活かすかです。SecondaryUseは、この「蓄積されたデータを次の仕事へつなげる」という部分に焦点を当てた考え方として見ることができます。

病院の中で次のようなサイクルを作ることが考えられます。
蓄積(電子カルテ・医事会計・検査・部門システム)→ 抽出(SQLで必要なデータを取り出す)→ 加工(Excel・Word・CSV/XML・集計)→ 活用(帳票・分析・会議資料・業務確認・研究)→ 改善(業務改善・次のデータ活用へ)

このサイクルが回ると、データは単に「保存されている情報」から、「業務を改善するための資産」へ変わります。

研究や統計だけを二次利用と考えると、現場の日常業務との距離が大きくなります。実際の医療現場では、「今日必要な一覧を作る」「今月の件数を集計する」「入力漏れを確認する」といったデータ利用も非常に重要です。SecondaryUseの「1.5次利用」という考え方は、こうした日常業務でのデータ活用と、研究・統計・分析などの二次利用を連続的に捉えるものと考えられます。

12. まとめ:SecondaryUseは「データを活かすための橋渡し」

システム巧房のSecondaryUseについて公開情報を整理すると、その中心にあるのは「既存データを再利用する」という考え方です。SQLによって必要なデータを抽出し、その結果をExcel、Word、CSV、XMLなどへ展開する。さらに、帳票、差し込み印刷、グラフ、集計、分析などへつなげる。この一連の流れを支援することで、電子カルテや医事会計などに蓄積されたデータを、標準機能だけでは対応しにくい業務へ活用できます。

また、SQLの保存・共有によって、データ抽出のノウハウを再利用できる点も重要です。一度作った検索や集計を繰り返し使えるようにすることで、データ活用を個人作業から組織的な業務へ発展させることができます。

SecondaryUseを一言でまとめるなら:
「病院に蓄積されたデータを、SQLで必要な形に取り出し、帳票・Excel・集計・分析・二次利用などの実務へつなげるためのデータ活用基盤」です。


参考リンク:
・SecondaryUse開発日記(公式はてなブログ) https://syskobo.hatenablog.com/
・システム巧房が開発・提供しているSecondaryUseについて教えて https://syskobo.hatenablog.com/entry/2026/03/08/191030
・SecondaryUse の SOAP、SSL/TLSプロトコル 接続のメリット https://syskobo.hatenablog.com/entry/2026/08/31/234633
・「SecondaryUse」でデータ活用革命! https://note.com/regal_llama6937/n/na0b289a8302d
本記事は2026年9月4日時点の公開情報のみに基づき、事実でない内容は含めていません。

タグ: #SecondaryUse #医療IT #医療DX #SQL #データ二次利用 #システム巧房 #Excel #SOAP

システム巧房のSecondaryUseとは?

医療DX
データ二次利用
病院業務支援

システム巧房のSecondaryUseとは?
医療データを現場の力に変える仕組み

電子カルテや医事会計システムに蓄積されたデータを、検索・集計・帳票・分析へつなげる「データ二次利用支援ツール」を、医療現場の実務という視点から紹介します。

はじめに:なぜ医療データの二次利用が必要なのか

病院では、電子カルテ、医事会計システム、検査システム、薬剤システム、手術部門システムなど、多くの業務システムが日々の診療を支えています。これらのシステムには、患者の基本情報、診療記録、オーダー、検査結果、処方、入退院、診療報酬、病床利用など、非常に価値の高い情報が蓄積されます。

しかし、データが蓄積されていることと、必要なときに必要な形で使えることは別問題です。標準機能にはそれぞれの目的があります。電子カルテは診療を安全に記録するため、医事システムは請求や会計を正確に処理するために設計されています。そのため、「特定の条件に合う患者だけを一覧にしたい」「複数の情報を組み合わせて月次報告を作りたい」「既存のWordやExcel様式に患者情報を差し込みたい」といった個別の要望には、標準機能だけでは対応しにくい場合があります。

SecondaryUseは、こうした“標準システムの外側にある実務上の困りごと”に着目したツールです。既存システムを置き換えるのではなく、そこに蓄積された情報を安全かつ目的に応じて取り出し、院内の業務改善、経営分析、研究、帳票作成などに活用するための補助線を引きます。

要点:SecondaryUseは、診療そのものを記録するシステムではなく、既存システムのデータを「別の業務目的に再利用する」ための環境です。

SecondaryUseの概要

システム巧房のSecondaryUseは、電子カルテや医事会計システムなどのデータベースを参照し、必要な情報を抽出・加工・出力するためのアプリケーションです。公開情報では、特にSSIの電子カルテなどと組み合わせ、標準機能では手が届きにくい独自のデータ抽出や帳票作成を支援するツールとして説明されています。

名前に含まれる「SecondaryUse」は、データの二次利用を意味します。ここでいう二次利用は、診療記録を別の診療記録へ無秩序にコピーすることではありません。診療や会計のために本来収集されたデータを、経営指標、研究用一覧、チーム医療のスクリーニング、患者向け文書、院内報告など、別の正当な業務目的に合わせて再構成する考え方です。

また、SecondaryUseは単なる検索画面だけではなく、検索条件、帳票テンプレート、出力形式、定期実行といった一連の流れを組み立てられる点に特徴があります。担当者が一度仕組みを作れば、現場の利用者は保存されたメニューやボタンから実行できるようにすることも可能です。

主な機能

1. データ抽出

電子カルテや医事会計システムなどのデータベースから、期間、診療科、病名、薬剤、検査値、入退院情報などの条件を組み合わせて情報を抽出します。

2. 帳票作成

抽出した患者情報や集計値を、Word・Excelなどのテンプレートへ差し込み、紹介状、同意書、案内文、督促状、報告書などを作成します。

3. CSV・Excel出力

抽出結果を表形式で保存し、院内の集計、会議資料、研究用データ整理、他システムへの受け渡しに活用します。

4. 集計・分析

診療科別、期間別、疾患別、入院期間別など、病院独自の切り口で件数や金額を集計し、業務改善や経営判断に役立てます。

5. 定型業務の自動化

毎月の統計、定期的なリスト作成、指定ファイルへの出力など、繰り返し作業の自動化を検討できます。

6. ポータル・メニュー化

複数の検索や帳票を業務別のメニューに整理し、担当部署が必要な機能へすぐアクセスできる形に整えます。

SQLを使った自由度の高い検索

SecondaryUseの大きな特徴の一つは、データベースに対してSQLを発行し、標準画面では指定しにくい複雑な条件を組み立てられることです。例えば、「ある期間に入院し、特定の薬剤を使用し、さらに指定した検査値が基準を満たす患者」のように、複数の情報を組み合わせた抽出が考えられます。

SQLは強力である一方、誤った条件を設定すると結果の漏れや重複を生む可能性があります。そのため、実運用では、検索条件の意味、対象期間、除外条件、重複の扱い、結果件数を確認し、担当者以外でも理解できる説明を残すことが重要です。

Word・Excelテンプレートとの連携

医療機関では、患者向け文書や院内帳票を完全に自由なレイアウトで作成する必要があります。SecondaryUseでは、データをテンプレートに差し込む方式を使うことで、既存のWord・Excel様式を活かしながら作業を自動化できます。

この仕組みは、患者氏名やIDの差し込みだけでなく、受診日、診療科、担当者、検査結果、予約情報など、帳票に必要な項目をまとめて反映する用途にも向きます。帳票の見た目を現場側で調整しやすいことは、運用変更が多い医療機関にとって大きな利点です。

活用事例:病院の業務をどう変えるか

未収金管理

未収金管理では、対象患者、発生時期、金額、入金状況、連絡履歴などを確認し、対象者のリスト作成や督促文書の準備を行います。医事システムの標準出力だけでは、担当部署が必要とする条件や帳票形式に合わないことがあります。

SecondaryUseを使えば、対象期間や金額、支払状況などを条件にしたリストを作り、その結果を督促状や案内文のテンプレートへ差し込む流れを組み立てられます。作業者が画面を何度も切り替えたり、手作業で氏名や金額を転記したりする負担を減らせる可能性があります。

入退院・病床管理

病床の利用状況、入院予定、退院予定、診療科別の稼働状況などを、日次・週次・月次で把握することは病院運営に欠かせません。必要な情報を一定の条件で抽出し、病棟別や診療科別に集計することで、会議資料や運用改善の材料を作りやすくなります。

ただし、数字を出すだけでなく、分母や集計時点を定義することが大切です。「入院患者数」が延べ人数なのか実人数なのか、「退院予定」が入力された予定なのか確定退院なのかによって、同じ項目名でも意味が変わります。SecondaryUseの導入では、検索技術と同時に指標定義を整える必要があります。

DPC・診療報酬の分析

診療報酬やDPCに関する分析では、診断群分類、在院日数、薬剤・材料、処置、退院先など複数の情報を組み合わせる場面があります。診療科別や疾患群別に、件数、収益、コスト、在院日数などを比較すると、改善すべき工程を見つけやすくなります。

分析結果は、単に順位をつけるだけではなく、背景を確認するための入口として使うべきです。例えば在院日数が長いケースが見つかった場合、患者の重症度、合併症、退院調整、地域連携の状況などを確認し、現場と共同で原因を検討します。

臨床研究・症例レジストリ

臨床研究では、対象となる症例を一定の条件で抽出し、研究計画に沿って必要な項目を整理します。疾患名、術式、処方、検査結果、入院期間などを組み合わせた候補者リストを作ることで、初期調査の負担を抑えられます。

ただし、検索結果は研究データそのものではなく、候補症例を見つけるための補助情報として扱うのが安全です。研究計画、倫理審査、個人情報の管理、匿名化・仮名化、研究者のアクセス権限など、医療機関の規程に従って運用する必要があります。

感染制御・抗菌薬適正使用

感染制御チームでは、耐性菌の検出、抗菌薬の使用状況、検体結果、病棟別の発生状況などを定期的に確認します。複数のシステムにまたがる情報を一定のルールで抽出できれば、サーベイランスや報告資料の作成を効率化できます。

抗菌薬の使用量を確認するだけでは十分ではありません。患者背景、感染部位、培養結果、投与期間、腎機能などを合わせて評価することで、より実務的な検討につながります。SecondaryUseは、その検討に必要なデータを取り出すための基盤として位置づけられます。

NST・薬剤部・各種チーム医療

NSTでは栄養状態に関する検査値や食事・体重の情報、薬剤部では特定薬剤の使用患者や副作用確認に必要なデータなどを扱います。チームごとに必要な条件を検索メニュー化しておけば、毎回ゼロから抽出する必要がなくなります。

このような用途では、対象者のリストを作った後の確認プロセスも重要です。抽出条件だけで対象者を確定せず、担当者による臨床的確認を組み合わせることで、誤抽出や見落としのリスクを下げられます。

電子カルテとの組み合わせ

SecondaryUseは、既存の電子カルテや医事システムと対立するものではなく、それらのデータを別用途へつなぐ補助的な役割を担います。公開情報では、SSIの電子カルテとの組み合わせや、NECのMegaOakシリーズなどに蓄積されたオーダー情報、検査結果、経過記録の活用例が紹介されています。

電子カルテは診療現場で使われることを第一に設計されています。画面上で一件の患者を詳しく確認することには向いていても、数年分の症例を条件検索して一覧化したり、部門横断の統計を作ったりする場合には別の仕組みが必要になることがあります。SecondaryUseは、患者単位の記録と、集団単位の分析の間をつなぐ存在です。

既存システムSecondaryUseで抽出集計・帳票・分析業務改善

連携の実際は、電子カルテの製品、データベースの構成、参照権限、ネットワーク、導入契約、施設のセキュリティ方針によって異なります。導入前には、どのデータへどの方法で接続するのか、稼働系データベースへ直接アクセスするのか、別の参照用環境を使うのかを確認する必要があります。

導入によって期待できる効果

課題 SecondaryUseで考えられる対応 期待できる効果
標準帳票だけでは足りない 独自条件で抽出し、院内様式へ出力 現場に合った帳票を作りやすい
手作業の転記が多い データをテンプレートへ差し込み 転記時間と入力ミスを抑えやすい
毎月同じ集計をしている 検索・出力処理を定型化 作業時間を短縮し、属人化を減らす
部門ごとに数字が違う 指標と検索条件を共通化 会議で比較しやすくなる
研究対象の抽出に時間がかかる 条件を組み合わせた候補者抽出 初期調査を効率化できる

特に大きいのは、データ活用のスピードと柔軟性です。メーカーへ個別開発を依頼する場合、要件整理、見積もり、開発、テスト、リリースという工程が必要になります。一方、院内にSQLやデータ構造を理解する担当者がいれば、比較的小さな改善を自分たちで試し、現場のフィードバックを受けながら育てられます。

ただし、「導入すれば自動的に業務が改善する」という意味ではありません。重要なのは、どの業務を、誰が、どの頻度で、どのデータを使い、どんな成果物にするのかを明確にすることです。ツールは目的を実現する手段であり、業務設計とセットで考える必要があります。

運用で重要なポイント

SQLとデータ定義を管理する

検索条件を作成した担当者が異動すると、同じ結果を再現できなくなることがあります。SQLだけを保存するのではなく、抽出目的、対象期間、項目の意味、除外条件、作成日、確認者、更新履歴を記録しましょう。検索メニュー名も、「患者抽出1」のような名前ではなく、「術後30日以内・指定検査未実施患者」のように目的が分かる名称にします。

データの正しさを検証する

抽出結果が出たからといって、正しいとは限りません。既知の患者や既存帳票と件数を比較し、境界日、取消、未入力、重複、転科、再入院などの扱いを確認します。特に「患者数」「件数」「延べ件数」「実人数」は異なるため、指標ごとの定義を決めることが大切です。

稼働システムへの負荷を抑える

稼働中の電子カルテや医事システムに重い検索を実行すると、応答速度や業務に影響する可能性があります。対象期間を絞る、必要な列だけ取得する、不要な結合を避ける、実行時間を夜間に設定する、参照用データベースを利用するなど、施設の構成に応じた対策を検討します。

アクセス権限を設計する

同じ検索メニューでも、部署や職種によって閲覧できる情報を分ける必要があります。患者の氏名や住所などの個人情報を含む帳票を誰が出力できるのか、CSVをどこへ保存できるのか、出力後にどう廃棄するのかを定めます。利用ログや定期的な権限見直しも有効です。

現場の利用者を増やす

システム担当者だけが使える仕組みでは、依頼の集中と属人化が起こります。よく使う検索をメニュー化し、画面項目を分かりやすくし、簡単な操作手順を用意することで、事務部門や各チームが自律的に利用しやすくなります。

注意:患者情報を扱う検索・出力では、施設の個人情報保護規程、情報セキュリティ規程、研究倫理規程、アクセス管理方針を優先してください。本記事は製品の導入判断や運用手順を代替するものではありません。

MedicalUse・SimpleUse・VariousUseとの違い

システム巧房では、SecondaryUseを中心に、目的や規模に応じたアプリケーション体系が整理されています。名称や提供形態、具体的な対応範囲は導入環境によって異なる可能性があるため、最終的には提供元への確認が必要です。

名称 位置づけ 向いている用途
SecondaryUse 医療データの抽出・分析・二次利用を担う統合パッケージ 病院全体のデータ活用、DWH参照、複雑な検索、帳票・分析
MedicalUse 医療現場の日常業務に特化した機能パッケージ 患者案内、入院案内、帳票作成、医薬品検索など
SimpleUse 必要な情報へ素早くアクセスする簡易参照ツール 複雑な設定を抑えた現場参照
VariousUse 必要な機能を選択して利用するライト・エントリー向け構成 小規模導入、機能を絞ったスモールスタート

簡単に言えば、SecondaryUseは「データ活用の基盤」、MedicalUseは「現場業務の支援」、SimpleUseは「参照の簡便さ」、VariousUseは「必要な機能から始める柔軟さ」に重点があります。すべてを一度に導入するのではなく、現在の課題に合う範囲から始める考え方が現実的です。

導入を検討するときの進め方

  1. 課題を一つ選ぶ:未収金リスト、月次病院指標、研究候補者抽出など、効果を測りやすいテーマから始めます。
  2. 利用者と成果物を決める:誰が使い、誰が確認し、最終的にどの帳票・一覧・グラフを作るのかを明確にします。
  3. 利用可能なデータを確認する:項目名、期間、更新タイミング、欠損、データの所在、参照権限を確認します。
  4. 小さな検索を作る:最初から全院向けの巨大な仕組みを作らず、対象を限定して結果を検証します。
  5. 現場で試す:実際の利用者に操作してもらい、項目名、表示順、出力形式、処理時間を改善します。
  6. 運用ルールを文書化する:担当者、更新頻度、確認者、出力先、個人情報の扱い、障害時の連絡先を決めます。
  7. 成果を測る:作業時間、転記件数、エラー件数、報告までの日数などを導入前後で比較します。

最初のテーマは、「毎月必ず発生するが、担当者の手作業が多い業務」が向いています。処理回数が多い業務ほど、少しの効率化でも年間の効果が大きくなります。

向いている病院・部門

SecondaryUseは、次のような課題を持つ医療機関や部門に向いています。

  • 電子カルテの標準帳票だけでは必要な情報が足りない。
  • Excelでの転記・集計作業が多い。
  • 医事、診療、検査、薬剤、看護など部門横断のデータを使いたい。
  • 経営会議や診療科会議の資料を定期的に作成している。
  • 研究や症例登録の候補者抽出に時間がかかっている。
  • 院内にSQLやデータベースを扱える担当者がいる、または育成したい。

一方で、データの定義が整理されていない、権限方針が未整備、稼働システムへの接続要件が不明確といった場合は、ツールの導入と並行して基盤整備が必要です。SecondaryUseは、データ活用を始めるきっかけにはなりますが、データガバナンスそのものを自動的に解決する製品ではありません。

まとめ

システム巧房のSecondaryUseは、電子カルテや医事会計システムに眠っているデータを、病院独自の業務へ再利用するための支援ツールです。SQLによる柔軟なデータ抽出、Word・Excelへの差し込み、CSV出力、集計・分析、定型業務の自動化などを組み合わせ、標準システムだけでは対応しにくい実務上の要望を形にします。

活用範囲は、未収金管理、病床・入退院管理、DPC分析、経営指標、臨床研究、感染制御、NST、薬剤部、患者向け帳票など多岐にわたります。特に、複数の情報を組み合わせる必要がある業務や、定期的に同じ集計・帳票作成を行う業務で効果を発揮しやすいでしょう。

ただし、自由度が高いからこそ、SQLの品質管理、データ定義、稼働システムへの負荷、アクセス権限、個人情報保護、出力ファイルの管理が欠かせません。導入を成功させる鍵は、機能の多さではなく、具体的な業務課題を選び、現場で使える検索と帳票に落とし込み、継続的に改善することです。

SecondaryUseを一言で表すなら、「病院に既にあるデータを、必要な人が、必要な形で、もう一度活かすための実務型データ活用基盤」です。医療DXを大規模なシステム刷新だけでなく、日々の集計、報告、帳票、チーム医療の改善から始めたい医療機関にとって、検討価値のあるアプローチといえます。

参考情報

※本記事は公開情報をもとにした紹介記事です。対応データベース、機能、ライセンス、導入条件、連携可否などの詳細は、システム巧房または導入環境の担当者へご確認ください。

© システム巧房 SecondaryUse紹介記事(ブログ用HTML)

システム巧房のSecondaryUseとは?

システム巧房のSecondaryUseとは?
医療データを「使える情報」に変える仕組みを徹底解説

医療機関には電子カルテ、医事会計、検査、薬剤、看護など、日々膨大なデータが蓄積されています。しかし「データが保存されている」ことと「必要なときに、必要な形で活用できる」ことは全く別の話です。

システム巧房が開発したSecondaryUse(セカンダリーユース)は、まさにこの課題に応えるためのデータベース参照・データ活用ツールです。本稿では、その概念から機能、関連製品、医療現場での活用例、DWHとの関係までを詳しくまとめます。

この記事の要点: SecondaryUseは、既存のデータベースからSQLでデータを抽出し、Excel・Word・CSV/XMLへの出力や帳票作成、集計・分析につなげる「二次利用(および1.5次利用)」のためのツールです。高額なDWHを新たに構築しなくても、既存データを柔軟に活用できる点が大きな特徴です。

1. SecondaryUseとは何か

SecondaryUseは、システム巧房(Vectorでソフトウェアを公開している医療系ソフトウェア作者)が開発した、データベースの二次利用をベースにしたシステム/ライブラリです。

公式の説明では「データをDBから取得し表示印刷 DBの二次利用をベースにしたシステム」とされています。単純なデータベース閲覧ツールではなく、「抽出したデータを実際の業務に使う」ことを強く意識して設計されています。

開発日記では、もともとDBBrowserというSQL実行ツールをベースに、「誰でも簡単にデータ抽出できるようにSQLを外部に保存して実行できるようにした」のがSecondaryUseだと説明されています。つまり、SQLの知識がある担当者が一度クエリを作成すれば、それを保存・共有することで、他の職員も同じ抽出を繰り返し使えるようになる、という考え方です。

現在、SecondaryUseそのものは直接公開されておらず、機能を継承したSimpleUse(DWH参照ツール)やMedicalUse(DWH参照+医療的利用機能)としてVectorで配布されています。

2. 一次利用・二次利用・1.5次利用という考え方

医療データの活用を理解するうえで重要なのが、「一次利用」と「二次利用」の区別です。

  • 一次利用:患者さんの診療・治療のためにデータを使うこと。電子カルテの画面を見ながら診察する行為が典型です。
  • 二次利用:診療以外の目的(研究、経営分析、医療の質評価、統計など)でデータを使うこと。

システム巧房はここに「1.5次利用」という独自の概念を提唱しています。これは、一次利用の延長線上で、現場がすぐに必要な帳票や簡易集計を素早く出力する活用形態を指します。本格的な二次利用(大規模研究や高度なBI分析)の手前で、日常業務の中でデータを「使える形」に変える層です。

SecondaryUseは、この1.5次利用を強力に支援するツールとして位置づけられています。複雑なSQLを直接書かなくても、データ抽出・加工・帳票出力が比較的直感的に行えるよう工夫されています。

3. 主な機能

3-1. SQLによる柔軟なデータ抽出

中核となる機能はSQLによるデータ抽出です。単純な検索だけでなく、複数条件の組み合わせ、並べ替え、集計など、目的に合わせたデータ取得が可能です。例えば「特定期間の特定病名患者一覧」「診療科別の件数集計」「未入力項目のチェックリスト」などをSQLで定義できます。

3-2. SQLの保存と共有

作成したSQLをサーバーに保存して利用者全員で共有したり、ローカルファイルとして端末ごとに管理したりできます。月次集計用や業務確認用のSQLを資産化できるため、毎回ゼロから作る必要がなくなります。

3-3. Excelへのエクスポートとグラフ化

抽出結果をExcelに出力できるのは実務上大きなメリットです。医療機関ではExcelを使った集計・報告が広く行われているため、既存の業務フローに取り込みやすくなります。自動でグラフを表示する機能も紹介されています。

3-4. Excel・Wordを利用した帳票・差し込み印刷

抽出したデータをExcelやWordのテンプレートに差し込んで帳票を作成できます。患者ごとの文書、業務一覧、管理表など、データとレイアウトを組み合わせた文書作成に適しています。

3-5. CSV・XML出力

Excel以外にもCSVやXML形式での出力に対応。他システムとの連携やデータ交換にも利用できます。

3-6. 幅広いデータベース対応

Oracle、PostgreSQL、MySQL、SQL Server、SQLiteなどに対応。SOAP通信を利用するためOracle Clientのインストールが不要なケースがあり、SSL/TLSによる安全な通信も可能です。ODBC接続にも対応しているため、ローカルネットワーク環境ではサーバーなしでも利用できます。

4. 関連ソフトウェアとの関係

ソフト名 内容
SampleUse SecondaryUseライブラリの利用方法を紹介するサンプルソース
SimpleUse DWH(データウェアハウス)の参照ツール。SecondaryUseの機能をベースにした軽量版
MedicalUse SimpleUseに医療的利用機能を追加したもの(SQLite版など)
VariousUse 医薬品検索(DI検索)、検体検査試薬品在庫管理、診療情報提供書・診断書作成ツール

これらはいずれもSecondaryUseの思想をベースに、医療情報の二次利用や現場でのデータ活用を支援するツール群として公開されています。Vectorの作者ページ「システム巧房」から入手可能です。

5. 医療現場での活用例

  • 標準機能にない帳票の作成
    電子カルテの標準帳票では対応しにくい独自の一覧や管理表を、SQL抽出+Excel/Word差し込みで補完できます。
  • 症例・患者抽出
    病名・検査値・年齢など複数条件を組み合わせて対象患者を一覧化。臨床研究やカンファレンス準備に役立ちます(ただし研究利用時は倫理審査や個人情報保護の規程遵守が必須)。
  • 経営・業務分析
    診療行為件数、薬剤使用量、診療科別推移などを定期的に抽出し、Excelでグラフ化して会議資料に活用。
  • 紹介・逆紹介の集計
    地域連携業務で必要な紹介元別件数や月次推移を独自に集計。
  • 未入力・業務チェック
    必要項目が未入力のデータを抽出し、入力漏れの確認リストとして活用。

基本的な活用サイクルは以下の通りです。

データベース → SQLで抽出 → 結果を確認 → Excel・Word・CSV/XMLへ展開 → 帳票・集計・分析 → 業務改善へフィードバック

6. DWHとの関係

DWH(データウェアハウス)は、複数の業務システムに存在するデータを分析しやすい形に集約・加工するための仕組みです。大規模なBIや経営分析では非常に有効ですが、導入には設計・データ連携・サーバー・運用などのコストが発生します。

SecondaryUseの公開情報では「高額なDWHを用いずに既存データを活用する」という方向性が示されています。これはDWHを否定するものではなく、「すべてのデータ活用を最初から大規模なDWHから始める必要はない」という現実的なアプローチです。

すでに電子カルテや医事システムが稼働している病院では、まずはSecondaryUse系ツールで「必要な帳票や集計を素早く出す」ところから始め、データ活用のニーズが高まった段階で本格的なDWHやBIを検討する、という段階的な進め方が可能になります。

7. SecondaryUseを活用するメリット

  • 既存のデータベースをそのまま活用できるため、初期投資を抑えやすい
  • SQLを保存・共有することで、データ抽出作業を院内資産化できる
  • ExcelやWordなど現場で使い慣れたツールと連携しやすい
  • メーカーへの個別開発依頼を減らし、現場主導で柔軟に対応できる
  • プログラミング知識が浅い人でも、ある程度直感的に操作できる設計
  • 複数のDBに対応し、接続方式の選択肢が広い

8. 導入・運用で重要なポイント

技術的にデータを取得できることと、実際に利用してよいことは区別する必要があります。特に患者情報を扱う場合は以下の点に注意が必要です。

  • 利用目的の明確化と院内規程の遵守
  • アクセス権限の適切な管理
  • 個人情報保護・匿名化/仮名化の要否
  • 研究利用時の倫理審査
  • データ構造(テーブル・項目・コード体系)の理解
  • SQLの品質管理とメンテナンス体制

また、接続先システムの仕様やバージョンによって利用可能なデータが異なるため、導入前に検証環境での確認が推奨されます。

9. 医療DXにおける位置づけ

国が進める医療DXでは、電子カルテ情報共有サービスや標準化、データ二次利用の促進が重要なテーマとなっています。SecondaryUseのようなツールは、大規模な国策システムと現場の間をつなぐ「実務レベルでのデータ活用」を支える存在と言えます。

高価な分析基盤をすぐに導入できない医療機関でも、既存データを活かして「まず使えるところから始める」ことができる点で、医療情報の利活用を裾野から広げる役割を果たしています。

10. まとめ

システム巧房のSecondaryUseは、電子カルテや各種業務システムに蓄積されたデータを、SQLを中心に必要な形で取り出し、帳票・集計・分析・二次利用につなげるための柔軟なデータ活用ツールです。

特に以下の点で現場のニーズに応えています。

  • 高額なDWHを前提としない現実的なデータ活用
  • 1.5次利用という日常業務に密着したデータ活用の考え方
  • Excel・Wordとの高い親和性
  • SQLの保存・共有による継続的な活用
  • SimpleUse・MedicalUseなどの関連製品への展開

病院のシステム担当者、医事課、経営企画、研究部門、各種チーム医療など、データを「見て終わり」にせず「使って改善する」ことを目指す方にとって、有力な選択肢の一つとなるでしょう。

最新情報や詳細な操作方法は、以下の公式リソースをご確認ください。

本記事はシステム巧房の公開情報(Vector、はてなブログ「オンラインヘルプ」「SecondaryUse開発日記」など)をもとに整理したものです。製品の仕様は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。

データを、もう一度活かす。 システム巧房「SecondaryUse」徹底解説

システム巧房
SYSTEM KOBO BLOG
PRODUCT COLUMN ? SECONDARYUSE

データを、もう一度活かす。
システム巧房「SecondaryUse」徹底解説

高額なデータウェアハウス(DWH)を導入しなくても、いま使っているデータベースを"そのまま"活用できないか??。 そんな課題から生まれたのが、システム巧房のデータ二次利用ツール「SecondaryUse」です。 本記事では、その設計思想から主要機能、動作環境、そして派生製品との関係まで、まとめて解説します。

システム巧房 プロダクトチーム 読了目安:約8分

01SecondaryUseとは何か

「SecondaryUse(セカンダリーユース)」は、システム巧房が開発したデータベースの二次利用を目的とした汎用データ活用ツールです。 名前の通り、すでに存在しているデータベースを"一次利用"(業務システムとしての本来の用途)とは別の角度から、もう一度活用しようという発想に基づいています。

多くの組織では、日々の業務の中で電子カルテ・販売管理・在庫管理・会計システムなど、さまざまなデータベースにデータが蓄積されています。 しかし、それらのデータは往々にして「入力されたまま」「システムの中に閉じ込められたまま」になりがちで、経営判断や業務改善に十分活かされていないケースが少なくありません。 SecondaryUseは、この"眠っているデータ"を、SQLというシンプルな手段で取り出し、Excel・Word・CSVといった使い慣れた形式に変換して届けることを目指したツールです。

既存のデータベースを置き換えるのではなく、"そのまま"活かす。それがSecondaryUseの基本姿勢です。

なお現在、「SecondaryUse」という製品名単体では公開されておらず、医療機関向けに機能を拡張した「MedicalUse」や、 ランチャー機能を省いた軽量版の「SimpleUse」といった派生製品として提供されています。これらの関係については後ほど詳しく触れます。

02生まれた背景 ? なぜ「二次利用」なのか

企業がデータを本格的に活用しようとするとき、まず候補に挙がるのが「データウェアハウス(DWH)」の導入です。 DWHは大量のデータを統合・蓄積し、分析やレポーティングを高速に行うための仕組みですが、導入・運用にはそれなりのコストと専門知識が必要になります。 特に中小規模の組織にとっては、DWHの導入は費用対効果の面でハードルが高く、「データを活用したいのに、そのための投資判断ができない」というジレンマを抱えがちです。

SecondaryUseは、この課題に対して「高額なDWHを用いることなく、安価で手軽にデータ活用を可能にする」というコンセプトで開発されました。 新たに巨大なデータ基盤を構築するのではなく、既存のデータベースに直接つなぎにいき、必要なデータをSQLで抽出し、使い慣れたOffice系ソフトウェアへと橋渡しする?? いわば「軽量なデータ活用の入口」を提供するアプローチです。

また、開発にあたっては中小企業でも扱いやすいインターフェース設計と、自由度の高いカスタマイズ性が重視されています。 専任のデータエンジニアがいない組織でも、日々の業務の延長線上でデータ活用に取り組めることを狙った設計思想だと言えるでしょう。

POINT

SecondaryUseの本質は「新しいデータ基盤を作ること」ではなく、「今あるデータベースを、もう一段活かすこと」。 この発想の違いが、導入コストと運用の手軽さに直結しています。

DWH導入との考え方の違い

DWHの導入は、大量のデータを統合・整形した上で、専用の分析基盤の上に載せていくアプローチです。 将来的な拡張性や高度な分析には強みがある一方、設計・構築・運用のいずれの段階でも相応の期間とコストがかかります。 これに対してSecondaryUseは、既存のデータベースへ直接アクセスし、必要な範囲だけをSQLで取り出すという、より軽量なアプローチを取ります。 両者は対立するものというより、組織の規模や目的に応じた「使い分け」の関係にあると捉えるとわかりやすいでしょう。

アプローチの違い(一般的な傾向としての比較)
  DWH中心のアプローチ SecondaryUseのアプローチ
初期投資 比較的大きくなりやすい 既存DBを活用するため抑えやすい
導入までの期間 設計・構築に時間を要する傾向 既存の接続情報とSQLがあれば着手しやすい
必要な専門知識 データ基盤設計の専門知識が必要になりやすい SQLの基礎知識があれば運用しやすい
向いている規模 大量データの高度分析を継続的に行う組織 中小規模で定型帳票・レポートを効率化したい組織

※ 上記はあくまで一般的な傾向を整理したものであり、実際の投資規模や期間はプロジェクトの内容によって大きく異なります。

03主な機能

マルチデータベース接続

SecondaryUseは、Oracle・PostgreSQL・SQL Server、そしてODBC接続など、様々なデータベースに対応しています。 特徴的なのは、SOAP通信を利用しているため、Oracleなどのデータベースであってもクライアントソフトのインストールが不要である点です。 これにより、各端末に個別のドライバやクライアントを導入する手間が省け、情報システム部門の負担を軽減できます。

SQLによるデータ抽出と共有

データの取り出しにはSQLを使用します。必要な条件を指定してSQLを組み、対象のデータベースから狙ったデータだけを抽出できます。 作成したSQLは、サーバー上に保存していつでも呼び出せるほか、利用者全員で共有することも可能です。 「よく使うSQLをチームの資産にする」という運用ができるため、属人化しがちなデータ抽出作業を組織的なノウハウへと変えていくことができます。 もちろん、共有せずにローカルファイルとして端末ごとに保存・実行することも可能で、用途に応じて柔軟に使い分けられます。

Excelテンプレートを使った帳票作成

抽出したデータは、Excelをテンプレートとして利用することで、請求書や各種帳票にそのまま差し込むことができます。 あらかじめ作成しておいたExcelフォーマットにデータ項目を割り当てておけば、抽出のたびに手作業で転記する必要がなくなり、 定型帳票の作成にかかる時間を大きく圧縮できます。

多彩な出力形式

出力先はExcelだけにとどまりません。抽出データをExcelへエクスポートする際には自動でグラフを表示させることもでき、 数値データを視覚的に把握しやすくなります。加えて、Wordへの差し込み印刷、CSV・XML形式でのファイル出力にも対応しており、 後工程のシステムや取引先とのデータ連携にも幅広く応用できます。

セキュアなリモート接続

SSL/TLSプロトコル(https)を利用することで、インターネット経由でのデータベース接続にも対応しています。 本社のデータベースに、離れた拠点や在宅勤務の端末からセキュアにアクセスするといった運用も視野に入れられる設計です。

データ活用とガバナンスの両立

データを二次利用する際に見落とされがちなのが、「誰が」「どのデータに」「どこまでアクセスできるか」というガバナンスの視点です。 SQLをサーバー上で共有できる仕組みは、裏を返せば、共有範囲や権限の設計を意識しておく必要があるということでもあります。 導入にあたっては、抽出対象のデータベースやテーブルごとに、どの利用者・部門がアクセスすべきかをあらかじめ整理しておくと、 利便性とガバナンスの両立がしやすくなります。SOAP通信やSSL/TLSによる暗号化はあくまで通信経路の保護であり、 アクセス権限の設計は別途、運用ルールとして定めておくことが望ましいでしょう。

04データの流れ ? 抽出から出力まで

SecondaryUseを使った際の典型的なデータの流れは、次のようにシンプルです。

① 既存データベースOracle / PostgreSQL
SQL Server / ODBC
② SecondaryUseSQLで抽出・共有
クライアントレス接続
③ 使い慣れた形式へExcel/Word
CSV/XML

重要なのは、①の「既存データベース」に手を加える必要がないという点です。 業務システムはそのまま稼働させながら、SecondaryUseが橋渡し役となって必要なデータだけを抜き出し、 Excelでの集計・グラフ化や、Wordでの帳票作成、CSV/XMLでの外部連携といった「次の一手」につなげます。 新システムへの移行や大規模なデータ基盤の構築を伴わないため、導入のハードルを低く抑えられるのが特徴です。

※ 出力できる形式やグラフの種類、差し込み印刷のレイアウトなどの詳細仕様は、導入時の設定やバージョンによって異なる場合があります。具体的な仕様は個別にお問い合わせください。

05動作環境・対応データベース

SecondaryUseの動作環境は次の通りです。特別なサーバー機材を新設する必要はなく、一般的なWindows環境で導入できる点も、 中小規模の組織にとって扱いやすいポイントです。

SecondaryUse 基本仕様
対応OS Windows 10 / Windows 11
開発基盤 .NET Framework 4.8
対応データベース Oracle / PostgreSQL / SQL Server / ODBC接続
接続方式 SOAP通信(クライアントレス) / SSL/TLS(https)対応
主な出力形式 Excel(自動グラフ化) / Word(差し込み印刷) / CSV / XML

特にOracle環境でクライアントのインストールが不要という点は、情報システム部門にとって見逃せないメリットです。 端末が増えるたびにドライバをセットアップする手間がなくなり、展開・運用のコストを抑えられます。

06どんな場面で使われるのか

SecondaryUseは業種を問わない汎用ツールであるため、活用の幅は広く考えられます。ここでは、想定される代表的な利用シーンをいくつか紹介します。

月次・週次レポートの自動化

毎月・毎週決まったタイミングで基幹システムから数値を拾い出し、Excelで集計している業務は、多くの組織に存在します。 SecondaryUseであれば、あらかじめ用意したSQLを実行するだけで対象データを抽出でき、Excelのテンプレートに流し込むところまでを一連の作業として扱えます。 担当者ごとに集計方法がばらつく、といった属人化のリスクを減らせる点も見逃せません。

請求書・帳票の一括発行

顧客データや取引データをもとに、Excelテンプレートへ差し込む形で請求書や納品書を作成する業務にも活用できます。 件数が多くなるほど手作業での転記ミスが起きやすくなりますが、テンプレートとデータ項目をあらかじめ紐づけておくことで、 抽出から出力までを効率的につなげることができます。

複数拠点・複数部門でのデータ共有

よく使うSQLをサーバーに保存しておけば、部門や拠点をまたいで同じクエリを利用できます。 「本社と支店で集計方法が微妙に違っていた」といった食い違いを防ぎ、組織全体で同じ定義に基づいたデータを参照できるようになります。

外部システム・取引先とのデータ連携

CSVやXML形式でのデータ出力にも対応しているため、他システムへのインポート用データの作成や、取引先とのデータ連携用ファイルの作成にも利用できます。 基幹システム側に個別の連携機能を作り込まなくても、SecondaryUse側で必要な形式に変換して受け渡すという運用が可能です。

リモート環境からのデータ確認

SSL/TLS接続を利用すれば、拠点外や在宅勤務の環境から必要なデータへ安全にアクセスすることもできます。 働き方が多様化する中で、「社内のPCからしかデータを確認できない」という制約を緩和できる点は、業務の柔軟性を高める要素になります。

いずれのケースにも共通するのは、「既存のデータベースを変更せず、必要な分だけを柔軟に取り出して活用する」という考え方です。 大規模なシステム刷新を伴わずに、日々の定型業務を効率化できる点は、多くの組織にとって取り組みやすい入り口になるはずです。

07ファミリー製品との関係

冒頭でも触れた通り、SecondaryUseは現在、単体の製品名としては公開されておらず、いくつかの派生製品としてユーザーに届けられています。 いずれもSecondaryUseと同じプログラムを土台としており、設定や搭載機能の違いによって製品名が分かれている、いわば"兄弟アプリ"の関係にあります。

SimpleUse SecondaryUseからランチャー起動のアプリを除いた軽量版。業種を問わず、シンプルにデータの二次利用機能だけを使いたい層に向く。
MedicalUse SimpleUseをベースに、電子カルテ関連の検索機能や紹介状(診療情報提供書)作成、試薬管理、文書管理など医療機関向けの機能を追加したフル装備版。
VariousUse MedicalUseが持つ医療系機能のうち、必要なものだけをINIファイルの設定で個別に切り替えて使える、手軽に試せるフリーソフト版パッケージ。

つまり、汎用的なデータ二次利用エンジンである「SecondaryUse」を核として、そこから軽量化した「SimpleUse」、 医療特化でフル装備化した「MedicalUse」、その医療機能を選択利用できるようにした「VariousUse」へと枝分かれしている、というのが製品群全体の構造です。 自社の業種や必要な機能の範囲に応じて、どの派生版が適しているかを検討することになります。

08導入が向いている組織・向いていない組織

最後に、SecondaryUse(および派生製品)の導入を検討する際の目安として、向いているケースとそうでないケースを整理しておきます。

向いている組織

まず、基幹システムそのものは既に整っているものの、そこから先の「データを取り出して活用する」部分に手間がかかっている組織には向いています。 レポート作成や帳票発行のたびに担当者が手作業でデータを転記しているような業務があれば、SecondaryUseによる自動化の恩恵を受けやすいでしょう。

また、DWHやBIツールを導入するほどの予算や専門人材を確保しづらい、中小規模の組織にも適しています。 既存のデータベース環境を活かしながら小さく始められるため、「まずは特定の部門・特定の帳票から試してみる」といったスモールスタートがしやすい点も特徴です。

さらに、Excel・Wordでの帳票作成や差し込み印刷業務が日常的に発生している組織、Oracle・PostgreSQL・SQL Serverなど複数のデータベースが混在していて横断的にデータを扱いたい組織にも、活用の余地が大きいといえます。

  • 基幹システムはあるが、データ活用・レポーティングに手間がかかっている
  • DWH・BIツール導入ほどの予算や専門人材は確保しづらい
  • Excel・Wordでの帳票作成や差し込み印刷業務が多い
  • 複数のデータベースが混在し、横断的にデータを扱いたい

慎重な検討が必要なケース

一方で、すでに大規模なDWH・BI基盤を構築済みで、高度なリアルタイム分析やAI活用を前提として運用している組織にとっては、 SecondaryUseが提供する機能だけでは物足りない場合があります。また、Windows以外のプラットフォームを前提とした運用を厳密に求めている組織や、 対応データベース(Oracle・PostgreSQL・SQL Server・ODBC接続)以外の特殊なデータソースが中心となる組織においても、 事前の接続可否確認が特に重要になります。

  • 大規模なDWH・BI基盤で高度なリアルタイム分析・AI活用を前提としている
  • Windows以外のプラットフォームを前提とした運用を厳密に求めている
  • 対応データベース以外の特殊なデータソースが中心となる

※ 実際の適合可否は、既存システムの構成や運用体制によって異なります。導入を検討される場合は、自社のデータベース環境と照らし合わせたうえで、個別にご相談ください。

09導入までの一般的な流れ

具体的な導入プロセスは組織の状況によって前後しますが、一般的には次のようなステップで進めることが多くなります。

  1. 現状ヒアリング:どのデータベースに、どのようなデータが蓄積されているか、また現状どのようにレポート・帳票を作成しているかを確認します。
  2. 接続環境の確認:対象データベース(Oracle/PostgreSQL/SQL Server/ODBC接続)への接続方式や、SOAP通信・SSL/TLSの利用可否を確認します。
  3. 試験的な接続・SQL設計:実際にSecondaryUseから対象データベースへ接続し、必要なデータを抽出するSQLを設計・検証します。
  4. 出力テンプレートの作成:Excel・Wordのテンプレートを用意し、抽出したデータ項目を割り当てて、実際の帳票・レポート出力を確認します。
  5. 運用開始・共有設定:完成したSQLやテンプレートをサーバーに保存し、利用者・部門ごとの共有範囲を設定した上で運用を開始します。

既存のデータベースに大きな変更を加える必要がないため、他システムの刷新プロジェクトと比べて、着手から運用開始までの期間を短縮しやすいのも特徴です。

10よくある質問

Q. 既存のデータベースの構造を変更する必要はありますか?

A. 基本的にはSQLで参照するだけのため、既存のデータベース構造そのものを変更する必要はありません。ただし、抽出したいデータの持ち方によっては、事前にテーブル構成の確認が必要になる場合があります。

Q. SQLの専門知識がなくても使えますか?

A. 基本的なSQLの知識があると、より柔軟にデータを抽出できます。よく使うSQLはサーバーに保存して共有できるため、一度誰かが作成したSQLを他の利用者が呼び出して使う、という運用も可能です。

Q. Oracle・PostgreSQL・SQL Server以外のデータベースにも接続できますか?

A. ODBC接続にも対応しているため、ODBCドライバが用意されているデータベースであれば接続できる可能性があります。具体的な接続可否は、個別にご確認ください。

Q. MedicalUseやSimpleUseとの違いがよくわかりません。どれを選べばよいですか?

A. 医療機関で電子カルテ関連の機能まで必要な場合はMedicalUse、業種を問わずシンプルにデータ二次利用機能だけを使いたい場合はSimpleUse、医療系機能の一部だけを試したい場合はVariousUseが目安になります。迷う場合は、まず自社の業種と必要な機能範囲を整理した上でご相談いただくとスムーズです。

Q. クラウド環境での利用はできますか?

A. SSL/TLS(https)通信に対応しているため、インターネット経由でのデータベース接続も可能です。クラウド上のデータベースとの接続については、個別の環境に応じた確認が必要です。

Q. 導入までにどのくらいの期間がかかりますか?

A. 既存のデータベースに大きな変更を加えないため、一般的なDWH導入プロジェクトと比べると短期間で運用を開始しやすい傾向にあります。ただし、対象データベースの数や、必要なSQL・帳票テンプレートの複雑さによって期間は変動しますので、具体的な見積もりは個別にご相談ください。

Q. 一部の部門だけで先行導入することはできますか?

A. SecondaryUseはSQLとテンプレートの単位で運用範囲を区切りやすいため、特定の部門・特定の帳票から小さく始めて、効果を確認しながら対象を広げていくという進め方も可能です。

11データ活用を軌道に乗せるための小さなコツ

ツールを導入するだけで、自動的にデータ活用が定着するわけではありません。SecondaryUseに限らず、こうしたデータ二次利用ツールを組織に根づかせるためには、いくつかの小さな工夫が効いてきます。

  • 最初は「一番手間がかかっている帳票」から始める:効果を実感しやすいところから着手すると、社内での理解や協力を得やすくなります。
  • 作成したSQLには名前と用途を残しておく:共有機能を活かすためには、後から見た人が「何のためのSQLか」をすぐ理解できることが重要です。
  • 出力テンプレートは定期的に見直す:業務の変化に合わせてテンプレートも更新し、形骸化を防ぎます。
  • アクセス範囲を定期的に棚卸しする:共有SQLや出力データの参照範囲は、人事異動や組織変更のタイミングで見直すと安心です。

こうした運用面の工夫を積み重ねることで、SecondaryUseは単なる「データ抽出ツール」から、組織のデータ活用文化を支える基盤へと育っていきます。

12まとめ

SecondaryUseは、「新しいデータ基盤を作る」のではなく、「今あるデータベースをもう一度活かす」という発想に立ったツールです。 SQLによる柔軟なデータ抽出、サーバー上でのSQL共有、Excel・Word・CSV/XMLへの多彩な出力、そしてクライアントレスかつセキュアな接続?? これらの機能が組み合わさることで、専任のデータエンジニアがいない組織でも、日々の業務の延長線上でデータ活用に取り組めるよう設計されています。

現在は「MedicalUse」「SimpleUse」「VariousUse」といった派生製品を通じて提供されていますが、根底にある思想は一貫して 「既存データベースの二次利用を、できるだけ安価に・手軽に実現する」ことにあります。 自社に蓄積されたデータを、もう一段活用したいと考えている方は、これらの製品群を検討の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

新しいシステムを一から構築するのではなく、今すでに手元にあるデータベースに目を向けてみる。 SecondaryUseが提案しているのは、そんな少し肩の力を抜いたデータ活用のはじめ方です。日々のレポート作成や帳票発行に追われている担当者の方こそ、 一度その仕組みを見直してみる価値があるかもしれません。

製品名 SecondaryUse(派生製品:MedicalUse/SimpleUse/VariousUse)
提供元 システム巧房
動作環境 Windows 10 / 11 ・ .NET Framework 4.8
対応データベース Oracle ・ PostgreSQL ・ SQL Server ・ ODBC接続
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